🎶 美空ひばり歌碑 ― 1947年大杉バス事故と奇跡の生還【高知観光ガイドタクシー】

高知県長岡郡大豊町大杉。ここには樹齢三千年を超えるとされる杉の大杉と、美空ひばり歌碑が並んで建っています。
その背景には、昭和の歌姫・美空ひばりさん(本名:加藤和枝)が幼少期に遭遇した大事故と、そこからの奇跡的な生還の物語が刻まれています。

🚌 1947年9月、大杉で起きた悲劇

昭和22年(1947年)9月、当時9歳の美空和枝を乗せた路線バスは、本山村を出発し、大杉駅へと向かっていました。
車窓の左には吉野川の支流・穴内川が流れ、坂を下って橋を渡れば駅はすぐそこ、という地点で悲劇は起こります。
前方から突然トラックが現れ、バスは避けきれずに衝突。その衝撃で車体は横転し、谷底へ転落寸前となりました。

しかし、奇跡的にバスは大きな桜の木に引っ掛かり、谷底へ落ちることを免れました。車内にいた乗客は大混乱に陥り、後方に立っていた美空和枝は大人の下敷きとなり、さらにガラスの破片で左手首に深い裂傷を負いました。鼻血を流し、瞳孔も開いて仮死状態となったと伝えられます。

🙏 医師の救命措置と奇跡の回復

当時、村にたまたま居合わせた医師が迅速に救命措置を施しました。そのおかげで、和枝はその夜遅くに意識を回復
まさに命を拾った瞬間でした。この事故と生還の体験は、後に「昭和の歌姫」として国民的人気を博した美空ひばりの人生に、特別な意味を与えたに違いありません。

⛩ 杉の大杉と歌碑

大杉駅からほど近い八坂神社の境内に、国の特別天然記念物に指定される「杉の大杉」がそびえ立ちます。
そのすぐ近くに、美空ひばりの歌碑が建立され、今も多くの人々が訪れています。
天災や事故を乗り越えて生き抜いた彼女の姿と、悠久の大杉の生命力が重なり合い、訪れる人々に命の尊さと再生の力を語りかけているようです。

美空ひばりさんが大杉で経験した「奇跡の生還」は、単なる歌碑の物語ではなく、
人生そのものの強さと運命の不思議を象徴しています。
杉の大杉と併せて訪れることで、その物語の深さを体感できるでしょう。

高知観光ガイドタクシーより

大豊町・大杉は、自然と人間の歴史が交錯する地です。
美空ひばりさんの命を救った逸話を胸に刻みながら、杉の大杉と歌碑を巡る旅は、感動と祈りを深める特別な時間となるでしょう。

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