🚈 土讃線の振り子列車 ― 山岳路線を駆け抜けた鉄道史の挑戦【高知観光ガイドタクシー】
四国山地を縦断する土讃線は、急勾配と急カーブが連続する険しい山岳路線です。
かつては所要時間の長さが大きな課題でしたが、1989年に世界で初めて制御付き振り子式気動車「2000系」が投入されると、状況は一変しました。
車体がカーブで自然に内側へ傾くことで高速通過が可能となり、岡山―高知間の所要時間は約3時間から2時間18分へと短縮。
「振り子列車」は高知を結ぶ鉄路に革命をもたらしました。
⚙ 振り子列車とは?
振り子列車とは、曲線で車体を内側に傾ける仕組みを持つ鉄道車両です。
遠心力を抑えながら速度を維持できるため、山岳路線やカーブの多い区間での高速化に適しています。
JR四国の2000系・2700系は、「制御付自然振り子方式」を採用し、電子制御によって滑らかな傾きを実現しました。
🚆 世界初の2000系気動車
1989年に登場した2000系気動車は、世界で初めて実用化された制御付き振り子式気動車です。
特急「南風」「しまんと」などで活躍し、当時は「山岳路線を高速で駆け抜ける夢の列車」と称されました。
しかし長年の酷使により老朽化が進み、2019年から後継車両への置き換えが始まりました。
2021年3月のダイヤ改正で、「南風」から完全に退き、その姿は惜しまれつつも歴史に幕を下ろしました。
✨ 後継の2700系気動車
2000系の精神を引き継いだのが、2019年に導入された2700系気動車です。
特急「南風」「しまんと」「あしずり」として土讃線・土佐くろしお鉄道を走り抜けています。
車内には座席コンセント・無料Wi-Fi・多機能トイレが備わり、快適性は大きく向上しました。
かつて2000系に揺られた世代からは「新しいけれど、確かにあの振り子の走りを感じる」との声もあり、伝統が確かに受け継がれています。
📖 逸話 ― 2000系誕生の裏側
当時、土讃線の高速化は「夢物語」とも言われていました。山岳路線ではカーブの連続で速度を出せないためです。
しかし技術者たちは「高知をもっと近くするために」と挑戦を重ね、世界初の制御付振り子気動車を生み出しました。
その努力の結晶である2000系は、鉄道ファンのみならず多くの県民に愛され、引退時には沿線に多くの人々が別れを惜しみに集まりました。
⏳ 土讃線に刻まれた鉄道史の挑戦
現在、主役は2700系へと移りましたが、「振り子列車=土讃線の象徴」という構図は今も変わりません。
四国山地を駆け抜けるその走りは、鉄道技術の結晶であり、同時に「高知と人をつなぐ架け橋」として輝き続けています。
高知を訪れる際には、ぜひこの振り子列車に揺られて土讃線の車窓を楽しんでいただきたいものです。
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