🛕 四国霊場 第37番札所・岩本寺 ― 五智如来と宿坊に息づく 祈りの霊場 【高知観光ガイドタクシー】
高知県四万十町に位置する第37番札所・岩本寺（いわもとじ）は、 本尊に五体の如来を祀る特異な霊場であり、巡礼者に深い安心感を与える寺です。 また、宿坊を備えており、遍路旅の心と体を癒やす場として古来より尊ばれてきました。
📜 由緒と歴史
岩本寺の創建は奈良時代、行基菩薩によると伝えられます。 後に弘法大師空海がこの地を訪れ、五智如来を安置したことから、 「大日如来を中心とする宇宙的な智慧の顕現の場」として霊験を持つ札所となりました。 また、幾度かの戦乱や火災を経て再建され、今なお多くの巡礼者を迎えています。
🙏 巡礼者の祈りと長い逸話
岩本寺には数多くの逸話が伝えられています。その中でも巡礼者の心に深く刻まれる物語があります。 ある老遍路は、かつて戦火で家族を失い、孤独の中を生きてきました。彼は「生きる意味を探したい」と願い、杖を頼りに岩本寺へ辿り着きました。 本尊の五智如来の前に座し、長い間沈黙の祈りを捧げた後、静かに涙を流しながら「ここまで歩んできた道こそが、私の答えだった」と語ったのです。 住職は彼に温かいお粥を差し出し、「迷いも苦しみも祈りの中に溶け、智慧へと変わります」と優しく語りました。 老遍路はその夜、宿坊に泊まり、静かに眠りにつきました。翌朝、清らかな笑みを浮かべて再び歩き始めた姿は、まさに祈りが人を蘇らせる瞬間でした。 また、別の逸話として、若き巡礼者が進路に迷い、心を閉ざしていた時のことです。 宿坊の本堂で夜通し祈っていた彼のもとへ、たまたま他の巡礼者が声をかけました。 「私も同じように迷ってここに来た。しかし、この寺で祈りを重ねたことで、道は自然に開けた」と。 若者はその言葉に深く励まされ、翌朝の朝日を浴びながら「人生は一歩ずつ進めばよい」と静かに心を定め、歩き出しました。 岩本寺はこうして祈りを通じて人と人を結び、智慧を授ける霊場として巡礼者の心に刻まれているのです。
💡 実用的情報
- 🚗 高知市中心部から車で約1時間半。四万十町の中心部に位置。
- 🛕 納経時間は朝7時〜17時。
- 🏠 宿坊あり。食事付きで巡礼者の休養に最適。
💬 編集後記・コメント
岩本寺は、祈りが人を導き、再び歩ませる力を持つ札所です。 五智如来の慈悲のもとで多くの巡礼者が心を癒やし、新たな一歩を踏み出してきました。 ご案内するたびに、この寺が「巡礼者を支える宿り木」であることを深く実感いたします。 【高知観光ガイドタクシー】は、この荘厳な霊場の祈りを丁寧にお伝えしてまいります。
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