🛕山間に響く祈り ― 豊楽寺「国宝 薬師堂」の物語【高知観光ガイドタクシー】

📷️ 大豊町 豊楽寺(ぶらくじ)

🌿 はじめに — 豊楽寺とは

高知県長岡郡大豊町寺内に位置する豊楽寺(ぶらくじ)は、真言宗智山派の名刹であり、行基菩薩の開創と伝えられる古刹でございます。神亀元年(724年)創建とも伝わり、聖武天皇の勅願寺としての伝承を持ちます。別名「柴折薬師(しばおれやくし)」とも呼ばれ、四国随一の薬師信仰の地として知られております。

🏯 国宝・薬師堂の静謐なる威容

境内の薬師堂は国宝に指定され、正面五間・側面五間の単層入母屋造り、柿葺屋根という極めて古式の建築様式を今に伝えます。堂内には薬師如来を中心に釈迦如来・阿弥陀如来などが安置され、胎内には「仁平元年(1151年)」の銘文が残されております。 平安末期の木割と彫法を備え、四国における最古級の仏教建築として、まさに「時を刻む祈りの殿堂」と申せましょう。

📜 逸話と伝承 — 山に息づく祈り

豊楽寺には、数多くの人々の祈りと逸話が伝わっております。 行基が杖を立てたとされる「行基杖かけの杉」、腰を下ろしたと伝わる「腰かけ石」などは、今なお参拝者の信仰を集めています。 また、地元では“病気平癒の薬師”として広く信仰され、難病の平癒を祈願する参詣者が絶えません。 さらに地域伝承の一つとして、美空ひばりが幼少期に当地付近での交通事故から奇跡的に助かった逸話も伝わり、人々はこれを薬師如来の加護と重ね合わせて語り継いでおります。

🗺 アクセスと山寺の風景

所在地は高知県長岡郡大豊町寺内314。高知道・大豊ICから車で約20分ほどの山あいにございます。 堂内拝観は事前予約制で、拝観料500円。周囲には杉木立が並び、鳥の声と風の音に包まれた静寂の世界が広がります。

※地図を拡大して目的地を入力すると、ナビとしてご利用いただけます。

✨ 結びに

豊楽寺は、行基が開いた霊地として千二百年の祈りを湛える場所。 国宝薬師堂の静けさは、訪れる人の心に深い安らぎをもたらします。 どうぞ大豊町の豊かな自然とともに、この霊験あらたかな寺の空気を五感でお確かめください。

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